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牡丹花咲く ( 18候 / 72候 )

友達が抗ガン剤治療をしている。今あるいのちをかけがいがないもののように感じる?と問えば、そうでもなくてわりと淡々としているのだという。お手上げの時がくればお手上げなのだし、と。そうとばかりにさらりとしているだけでは無かろうけども、口にしていることもまた嘘ではないのだと思う。

子供たちといってももう成人しているのだけど、どうやら子供たちは母親は死なないものだと信じきっているらしいのよ、とも。ダンナの方は、つれあいが死ぬ死ぬと大騒ぎするらしい。もちろん状況によるのだけど、ワタシの子供たちはもしワタシが病を得ても死なないとは確信しはしないのではないかと思う。そのへんはそれぞれなのかな。

彼女はその子供たちの確信ぶりをみて、まるで教祖かなんかなった気分よ、と。死なないものは100%いないのは周知のことだけども、何時その時がくるのかは誰にもわからない。そのあたりの不可思議はみごとに誰にも平等らしい。治療の手厚さ、見送りの時の手厚さは娑婆の計らいだというのに。

嵐山光三郎さんの『 追悼の達人 』という本が何年も積んだままになっていて、嵐山さんといえば追悼文という連想がワタシのなかでできあがっている。嵐山さんのごく親しい安西水丸さんが急逝したとき新聞に載っていた嵐山さんの文をなんとなく捨てられなくて、いつまでも机の上をふらふらしたまま。


「 水丸、南伸坊、嵐山の三人で、小型のカレンダーを作って、友人に配って十年余りとなるが、これも今年で終了となる。
  なにごとも始まりと終わりがある。あれも、これもと楽しかった日々の記憶が重なり、空漠の彼方へ消えていく。水丸の絵は一本の線が、水平線となってピンと張られている。その線を崩して、うまくなってしまった手をなだめ、自在に動かして、見えざる天然へ預けようとした。水丸、という人名を書くだけで、うろたえ、ただ喪失のなかを漂うばかりである」  


                       朝日新聞 安西水丸さんを悼む


生き死にに勝る喪失というものは無いのだろうけれど、それよりも苦しい喪失というものもあるのかもしれない。明るい喪失というものはおそらく有るだろうし、明るい喪失の儀礼というものは確かに有る。喪失してゆくものがあればこそ生きて行けるというこころもちも、何処かでするのではないのかとも思う。




                         北斎 『牡丹に蝶』




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映画 「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」
 




ONLY LOVERS LEFT ALIVE 2013
監督 ジム・ジャームッシュ  出演 トム・ヒドルストン  ティルダ・スウィントン
    ミア・ワシコウスカ  ジョン・ハート  他
音楽 ジョセフ・ヴァン・ヴィセム  
公式

何世紀も愛し合ってきた不老不死の吸血鬼、アダムとイヴが主人公。21世紀の吸血鬼のカップルは別居している。アダムはデトロイトで隠遁していて謎のカリスマ・ロック・アーティスト。イヴはモロッコのタンジールで沢山の古書に囲まれて暮らす。

ジャームッシュの映画について何か言ったりできないのだけど、洒落たヴィンテージギターや流れる音楽、機材やポスターや本や骨董や家具。ともかくそんなものが本気で盛りだくさん。

だいたい日本人に、イヤ、ワタシには、吸血鬼の位置づけだの、ゾンビもよくわからないです。現代文明批判とかなんとかそういうことを汲むべきなのかも。いやはや、ジャームッシュのお洒落な趣味も解せないし。ただタンジールやデトロイトのロケーションや全体を流れる気配にうっとりとして、その詩情と音楽に身を浸してひたひたひたひたとしたのでございます。

ああ、満足。



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映画 「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ」 関連




























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流 行 歌


歌詞

昨夜、衿子さんとワインを飲んで山盛りおしゃべりをして。あー、あきらちゃんエロいのが好きだもんね、なんて言われたりしておりました(笑)。隠してないけど、もろバレですわね。そうなのそうなの。近年さらにエロい感じがするものが好きだなぁ。女どうしの遠慮のないお喋りとお酒というものは解放されますね。とっても。

ということで、何故か石川さゆりさんです!椎名林檎さんが作った新曲のイメージモチーフは現代の太夫だそうですぞ。この曲、THE林檎節と言ってもいいのでは?日本人だからとかわかりませんけど、近松の心中ものとかぐっとくるのはなんでなのかしらん。

石川さんは56とかでいらっしゃるそうで、好みはともかくとしてきれいな女の人を見るのはたのしいです。さっきEテレで石川さんと画家の千住博さんが対談なさっているのを横目で見ていました。ふーん、仰ることはとりあえずそのまんま素直に伝わってくるな、という気がしました。流行歌という言葉をつかっていらっしゃいましたけども、頬をなでる風のように流れてゆく歌。あー、ワタシ、もっと唇に歌が欲しいかも! 心に良さそうな気がするもん!

まったくいらない御世話ですけども、林檎さんと石川さんは好いた殿方がかぶったりしていらっしゃった。で、仲良くする、面白がる。ワタシは、そんなたのしい目にあったことはもちろんありませんが、わかるなぁと思います。たのしそうだ!と思います。品の無い憶測で申し訳ないのですが、それって秀でた才能と、築いてきたものがある人にだけ出来る贅沢なのかしら? とはいえ、案外索莫としたこころもちってこともあるかな。贅沢と寂しいはセットなのかな。

女子としてということかどーか知りませんけども、生きていることをたのしみたい、いろんな感情を味わいたい感ということも年齢を重ねてこそよーくわかるように思います。結末などどうでもよろし。過ぎてゆくことですもの。男女のことばかりを言うのじゃありませんが、思うだけも良しとして、それも含めてね。

そんなこんな思うのも、歌という3分のドラマに惹きつけられるからだな。さあて、歌でもうたいながらお風呂でも入って美人を磨くといたしましょ♪





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穀雨 ・ 葭始めて生ず ( 16候 / 72候 )

先日、旅に行きました。そう、旅と言ってもいいかと思います。だって、パジャマを持って行ったから。

とっぷりと日が暮れる頃に乗りものにのって終点まで行きました。雨の中をごはんを食べに出かけ、微塵も洒落ていないお店でビールと日本酒と焼酎を飲み、只眠って、目が覚めたらすぐにまた乗りものに乗って帰還。

まあ、つまりは友達に会いに行って、おしゃべりして戻っただけのことです。それでも普段自転車以外の乗りものにもめったに乗らず、2キロ圏内くらいで生息しているワタシにとってはやはり旅だったなぁ。  


                    
 


旅慣れないワタシは、旅の意味というのは何なのかなと思いました。旅することで何を得ようとするのでしょう?旅はしなくちゃならないものなのでしょうか?旅の本質というものは移動なのか? 解放なのかな?

百科事典が定義してるのはこう。


われわれは日常,いわゆる手のとどく範囲内の限られた人や事物との関係性の中で,所用をつくり所用に迫られて生活している。ときにいや気がさしてこの関係世界から離脱し,旅に出たくともそれは容易可能なことではない。日常的生活の拘束性の下にあるという現実は,移動をその生活形式としている遊牧民遠隔地商人でも例外でなく,たとえ移動生活が身上であれ,その移動は所用による移動であって,本来の旅とは区別されねばならない。


過剰な自意識を携えつつ、文庫本とウォークマンもね。旅はなかなか素敵だな、と思いました。どんな旅もきっと冒険旅行。未知の自分の感情に出会う為にするものなのかもしれません。



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演劇引力廣島 第11回プロデュース公演 「デンキ島〜松田リカ篇」
 

広島版 蓬莱竜太作・演出 公式


どこかに広報の記事なんかもとっておいたはずですが、さしあたって見つかりません。2月22日、アステールプラザの多目的ホール昼公演を観劇。とりあえず、忘れないように書いておくの第2弾。これ、とってもおもしろかったです。Team申で親しんだ蓬莱さんは、すっかりますます若手とも言えなくなられたことです。

もし記憶に間違いがなければですが、かなり前にNHKでモダンスイマーズがやったのを観たように思います。でもきちんとは観なかった。舞台をTVで観るのは別なものですし、今回とセットも違ったような気がしますが、画面で見るとえらくくらーいはなしだなという気がしたのでした。

広島の文化財団さん?でいいのかな、なかなか頑張って下さっていて、面白い脚本演出家を招いてくれてワークショップから始めて、スタッフやキャストのオーディションもやって公演してくれるという素晴らしさ。ありがたい!!この前の赤堀雅秋さんの時なんて当日券がなくて臍を噛んだほどです。

なので、ちゃーんとチケットを買っておきました。

正方形だか長方形だかのまわりぐるりが橋のような板になっていて、真ん中は砂場。そのなかにまた小さいステージ状のスペースがあり、観客は上側と下側の両方の階段状の席から観劇。初演は2001年とかになるのかな?結構な時間経過を考えると、いつの時代にもそういう状況はかわらずあるものなのでしょう。セットの使い方も、素敵でした。

兵庫出身の蓬莱さんが北陸を舞台書かれたというのは何か理由があるのかわかりませんが、田舎のどうしようもなさというようなものは、田舎生まれの田舎育ちには何やら見たいような見たくないようなそんなきもちにさせます。さほどにきもちをひっぱられてしまうわけで。

くわしい感想とかもう書けませんが、演劇というものにきちんと取り組むという豊かさ、その上質感、そしてそれは地方だろうが大都市だろうが全く関係無い。そのことに立ち会えることの誇らしさに満たされたのでした。



2011年 モダンスイマーズ 



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落語名人寄席 豪華三人会 @ HBGホール
                                    


チケットの日付を見ますと、まだ先月のことだったらしいんですよ。3月のアタマのことです。お目当ては小朝さんだったのですが、歌丸さんだって小遊三さんだって、もちろん聞いてみたかったんです。どなたも初めてでした。

ほら、でもね。こんな豪華な取り合わせはもちろん大ホールで聞くのでございます。で、もちろん上手いです。と、思います。薄ら寒いような気持には決してなりません。とーぜんチケットだってそこそこのお値段です。寄席に行く機会が無いワタシには、こんな時しか聞く機会が無い噺家さんばかり。

ね、与えられたものを楽しめばいいんだよなと思います。いやいや、ホントに。もうちょっと、ネタが何だったかも忘れてしまいましたけども、そういえば行ったよなということで書いておきましょ。

何を、何処で、どんな風に見聞きするかは自分で選ぶしかないわけで。そこでどんな化学変化が起こるかは予想もつかないわけですよね。まあ、そのへんの兼ね合いってものは、難しいところなんだよなぁと改めて思ったというはなしです。おしまい。




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映画  「  昼 顔  」
    

 1966年 ルイス・ブニュエル監督 カトリーヌ・ドヌ―ヴ主演

先日観たフランソワ・オゾン監督の「17歳」に主演したマリーヌ・ヴァクトは「カンヌの夜に咲いた昼顔」と称されたそうです。ルイス・ブニュエル監督の『昼顔』を想起させる内容だったから。

ということで、観ました。どこまでも美しいカトリーヌ・ドヌーヴを。


何不自由ない豊かな暮らしをしている医者の妻であるセブリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。子供の頃粗野な男に抱きしめられた経験を忘れることができず、夫との性生活は持てませんが、鞭打たれるや虐げられるなどのマゾヒスティックな妄想を持っていました。ある時友人のユッソンから、ブルジョワの階級の女性たちがさまざまな理由で売春をしていることを聞きます。そして娼館を訪ね、夫が不在の昼の間だけ働きはじめるのでした。

初めは躊躇していたセブリーヌはその美しさと品の良さでたちまち稼ぎ頭になってゆきます。中で男性のさまざまなフェティシズムも描かれ、召使いに扮するマゾヒストであるとか、亡くなった娘の死体を演じさせて快感を得るもの、何か虫の入った箱を持ってやってくる日本人のビジネスマンなど。

友人のユッソンが娼館にやってきたことで、セブリーヌは秘密を知られてしまいます。そして、そのことで娼館を休み、それがゆえにセブリーヌに惚れこんでいたやくざのマルセルがセブリーヌの家をつきとめて、夫を銃で撃つという事件がおこります。マルセルは逃亡中に警官に撃たれて殺され、夫は植物状態に。

娼婦をやめて夫の看病をしているセブリーヌのところにユッソンがやってきて、夫にセブリーヌの秘密を打ち明けます。そのことでセブリーヌは夫に真実の自分を知られることとなり心の闇から解放されるのでした。


「17歳 」に通じているのは、エロティックなはずのヒロインがただ無垢にどこまでもただ美しく咲いた花のようであることでしょうか? 「17歳」の方ではもはや言う必要もないことだったでしょうが、1960年代ではフランスであっても「貞淑な妻」という観念をとりはずすことはかなり衝撃的だったのではないかと想像されます。作品としてどうか?は時代感覚も違うし正直わかりませんが、ともかくドヌーヴがきれいです。温度が低いままで、湿度もなく、美しい虚無とでも言えばいいのでしょうか。

現在でさえ女性の性は愛情とセットだと女性自身も思おうとしていることは否定できないでしょうし、本当にそうだという人も多くいるのかもしれません。しかし、現実にアクションを起こすかどうかということは別のこととして、そうでない場合もあるということは、共通認識になっているのでは?

妄想を織り交ぜたシュールな運びのなかで、この映画にはBGMというものがないそうです。冒頭とラストの馬車の鈴の音が印象的。あと、ドヌーヴの素敵な衣装はイヴ・サンローランだそうで、ファッションテキストとしてもうっとりものです。





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虹始めて見る ( 15候 / 72候 )
                   


4月になったらガンガン更新して遊ぼうと思っていたにもかかわらず、何をやっているんだワシ?でございます。うーむ。

今朝の朝イチは、ネコ便さんの集荷と、ストーブの石油の注文と、銀行さんに集金を頼む・・そんなふつうの感じで。ま、無事にしておるということでございましょう。そうこうウロウロしているうちに春が長けてゆくのでございますね。

そうそう、春のあいだの収穫は俳句の初吟行でした。とはいえ、ワタシは外で作ったのは一句のみ。吟行とはあくまで口実に過ぎず、ワタシが長年望んでいましたことは、うららかな桜の下でお弁当を食べること! そう、ただそれだけのことです。が、小学生の頃おばあちゃんとおにぎりを持って裏山に登って以来、やったことがなかったんです。やってみたかったんですよねー。

つれあいがどーでも、やりたかったらやればよかったのですが、うちのダンナはサクラもお祭りも大の苦手。ついでにお出かけ全般も苦手(笑)。まあ、そういうきもちはわからないでもないですけども。ね。

今年の花の期間は短くて寒かったのですが、3月の末にまだ咲いてなくてもいいやとばかりに計画していたのがさいわいしたのでした。敷物も買い込みましたし、次の春からは毎年決行の所存です。近所にお住まいの方はどうぞごいつか一緒いたしましょうね。花の気は、特に女性にいいそうですよ。

■ 虹隠れて見えず( ( 57候 / 72候 )       



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生クリームサンド パン工房 カワ

この前、例の楽屋への差し入れを何にするか?というたのしくて苦しい思案をしておりました。

そういうものはどれが正解なのかわかりませんが、先輩にお伺いしたましたところ、とにかく分けられないものは困る、あと分けるのが大変なものも、というおはなしでした。あとは時間が無いのでパクッて食べられる、コップに注がないでいいものが良いとのことです。素晴らしいアドバイス!! 役者さんに直接お尋ねになったのだそうでございます。

そんなこんなで、3月のお江戸の公演は柿の葉寿司の小箱をまとまった数お送りしました。で、今回の4月浪速の公演はできれば趣向を変えたい。定番の感謝ビールや水好きの駱駝さんには水もいいだろう。けども、こっちとしてはもっと気分の変わるものは無いかなぁという思案だったわけです。あくまで送る方の気分重視 (笑)。

何にしたかはまだご報告が済んでないのであれですが、今後のためにいいかなと思って試してみたのがこちらのクリームサンドです。


     


  パン工房 カワ 


みごとに写真のサイズが違う!(笑)

まずは冷凍状態で届きます。自然解凍で4時間から6時間と書かれていますが、2時間くらいから食べられます。この前のお稽古のとき、朝に解凍しそびれて、みんなでそのくらいで食べたけどクリームが冷たくてそれはそれで美味しかったのですわ。

で、偉い! 個別包装! で、1個でそこそこボリュ―ムがあります。ワタシなら2個目も大丈夫ですが、ふつうなら1個でかなり満足感があると思われ。サイズはそこそこでも、2枚重ねなわけですからね。

パンは解凍したとは思えぬほどふかふかでほのかなコーヒー風味。軽めの癖のない生クリームがたっぷりとやや控えめなイチゴジャムが挟まってます。うふふーーー。

生クリームが苦手という人以外は、みーんな好きだと思います。お菓子やケーキのようなずっしりとした甘さでもなく、パンにはフレッシュ感もあり、食事代わりにもなる。

めちゃくちゃアホほど美味しいとかいうことでなく、時々食べたくなるんだよねーと思うような。裏切らない程のよさなんじゃないでしょうか。差し入れにも何時か採用しようと思ってます。

[ おやつの時間 ] comments(2) / trackbacks(0)
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